世界の「皮肉」を盛り込んだ『エリジウム』

『第9地区』の監督ニール・ブロムカンプが作った『エリジウム』は、迫力あるSF映画でありながら繊細でもあります。

『第9地区』と直接のストーリーのつながりはないものの、どことなくその作品を思い出させる作りとなっています。

近未来が描かれた作品で、人類の進歩を描きながらも、変わることのない人間の「欲望」や「葛藤」、そして「皮肉」を沢山表現しています。

『エリジウム』の世界では、地球は荒れ果てており、衛星軌道上に巨大なコロニーを作り、そこで人類は暮らしています。

そのコロニーこそが「エリジウム」です。

このコロニーの科学技術は凄まじく進歩しており、人間の生死をも左右する難病すら医療カプセルに入れば簡単に直せるまでに至っています。

それだけ聞くとなんて素晴らしい世界なんだと思いますが、そこに住めるのは一部の富裕層だけです。

つまり、大多数の貧困層の人類は地球に取り残され、日々の生活を送るだけでも大変な苦労をしています。

当然難病や病気になっても治すことはできません。

なので、度々貧困層に属している人々は、自身の為、また家族や友人の為に命をかけてエリジウムに入り込み、医療カプセル目掛けて侵入しようとするのです。

主人公マックス(マット・デイモン)もその1人となりますが、野望を抱くエリジウムの防衛庁長官ジェシカ・デラコート(ジョディ・フォスター)によって、尽くエリジウムへの侵入を邪魔をされるのです。

というのもマックスは、とある事故をきっかけに余命5日を宣告されてしまい、必死に生き抜こうとするようになります。

その為に肉体に多数の機械を埋め込んで強化してまでエリジウムに向かいます。

「生」を渇望するマット・デイモンの演技は必見です。

また、ジェシカ長官による野望が並行して進んでおり、エリジウムで起ころうとしている陰謀にマックスは巻き込まれてしまいます。

様々な欲望が渦巻く世界や、迫力ある戦闘シーンはまさに監督が得意とするものでした。