いつの時代だって、女は好きな男に愛されたいー駆込み女と駆出し男を観てー

駆込み女と駆出し男は2015年春に公開された日本映画です。この映画は井上ひさしの小説「東慶寺花だより」が基となっています。映画は神奈川県にある江戸幕府公認の縁切寺、東慶寺が舞台となっています。

時は江戸時代、鉄の精錬業に携わるじょごは女癖が悪く、粗野な旦那からの縁切りを決意し、夜逃げを図ります。道中、同じく旦那からの縁切りを図るお吟に出会い、共に東慶寺を目指します。二人は無事に東慶寺での縁切り成就を達成し、数年の間、修行を積むことになります。時同じくして、東慶寺に一人の男が棲み込むことになります。その人が、作家志望の医者、中村信次郎です。

東慶寺に駆け込んだ女たちの多くはまともな男に愛されていないので、彼女らは男に懲りているのかと思いきや、信次郎の登場により一気に色めき立ちます。その中でも特に、じょごは彼に強く惹かれるようになります。

物語では信次郎と逢瀬を重ねるじょごが嫉妬の的になったり、駆け込み仲間のゆうの旦那が乗り込んできたりと悶着がありますが、それらを乗り越えてじょごが信次郎と結ばれる場面には胸が熱くなりました。好きな人の為に様々なことに一生懸命になれるじょごのけなげさにはとても好感が持てます。

お吟が縁切りを決意した理由を明かす場面があるのですが、それがとても深く、彼女の覚悟が垣間見えた気がしました。女性はいつの時代も好きな人に愛されるためなら自己犠牲もいとわないのだなあと思いました。私もここまで深く愛してくれる素敵な殿方に巡り会えたら、そんな風に思わざるを得ませんでした。

終始、綺麗な言葉で紡がれる物語と日本の原風景に癒されました。時折挟まれる滑稽なシーンにはクスりとさせられます。舞台が江戸時代のせいか日本語が少し難しいので、日本語字幕を付けて鑑賞されることをお勧めします。