『メトロポリス』

作品のタイトルは『メトロポリス』

映画のテーマはすぐに出てきます。

「手と頭の媒介者は心でなくてはならない」

手は労働者、頭は経営者。

これは未来都市の労働者は地下の労働者街に、経営者は地上の巨大なビルに、というヒエラルキーを描いた映画ではあります。

エンディングは現在の映画では許されないエンディングでしょう。

言ってしまうと小学校や中学校へやってくる子供向け劇団の上演する劇のような終わり方です。

お涙頂戴に慣れた人々にもこの映画のラストは許せないかもしれませんね。

その他未来の描写が「そこはアナログなんだw」みたいなのも仕方ないと言えば仕方ないし、突っ込みしたくなるところもたくさんあります。

この映画で特筆すべきなのはCGもない1926年に白黒のサイレントでとても圧倒されるような表現を幾つも使っているところ。

この映画を作ったことで映画会社が潰れかけたそうですが、確かにエキストラは多く、セットも当時としては金かかってんだろうなーというのを感じさせます。

ただそれをさておいても、人の見せ方、多人数で圧倒する見せ方などはとても考えられていて唸らざるをえません。

また圧倒と言えばヒロインのマリア(二役ですが)のブリギッテ・ヘルムの演技力、、というよりは表現力には本当に圧倒されます。

演技はサイレントということもありとにかくどいつもオーバーアクション、主人公のフレーダーなど顔を白く塗ったらピエロだろう、というくらいのオーバーな表情で、追われる時のマリアのオーバーなアクションはちょっと笑ってしまうくらいですが、それでもブリギッテ・ヘルムの表現力はこの映画の何にも増して素晴らしいです。

始めに登場した聖女のような表情、二役の悪女のような表情、動き、どちらも近寄りがたいくらいの存在感です。

素晴らしい役者さんだと思いましたよ。

まぁ昔の映画だしと半ば好奇心だけで見ていましたが、途中からはちょっと気になって目が離せなかったです。面白かったですよ。